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大分のお盆の珍味!「たらおさ」は見た目も味もびっくりな郷土料理

2023年10月10日

大分で古くから食されている「たらおさ」。漢字で書くと「鱈胃」です。タラの胃とエラを干物にした保存食だそうです。

干物状態のたらおさ。とげとげしていて怪物じみています。これを水でもどして煮つけなどにして食べます。

大分の郷土料理であるたらおさですが、県内ではほとんど目にすることはありません。それというのも、たらおさは日田市や九重町、玖珠町など県北部の内陸でしか食べられていない食材だからです。おまけに食べる時期もお盆だけ。家庭料理ということもあって、スーパーなどに夏場にならぶことが一瞬あるぐらいでしょう。

「たらおさ」ってどんな味?

世にも奇妙なこの食材、いったいどんな味がするのでしょうか。

さーさんは以前、九重のスーパーで煮つけのたらおさを見つけて買ってみたことがありました。魚の干物でしょ?煮つけでしょ?だったらこんな味でしょ?と想像しながら食べてみたところ…

これが意外や意外、見た目からは想像もつかないお味なんですわ。たとえるなら、センマイやミノのようなコリコリ食感。お魚っぽくないので、若い人も好きそうな感じです。

また食べてみたいなぁ~と思いつつ、時期もエリアも限定的すぎて全く発見できずにいました。今年は運よく干物を購入できたので、見よう見まねで調理してみようと思います。

たらおさの煮つけ

分量や調理方法はCOOKPADで日田市が公開しているレシピを参考にしました。

⒈たらおさを水につけて柔らかくもどす

戻すのに1~2日かかるとのこと。結構時間かかりますね。しかもここで初めて知った事実!

お~う、臭いんか…ちゃんと食べられる代物になるんやろか。一抹の不安がよぎりますが、ここまで来たらやるしかない!

そのままでは大きすぎるので、入れ物に入る大きさにカットしてから水につけて冷蔵庫にIN。たまに水を換えながら2日経ちました。

水を吸って巨大化してる!ぶにぶにしてさらに怪物っぽさがアップしております。ビオランテに似てる。

そして、話に聞いた通りけっこう臭い!!金魚鉢みたいなニオイとでも言いましょうか?調理したらこのニオイ消えるの?怖いわー…

⒉たらおさを下茹でする

水でもどしたたらおさをよく水洗いしたあと、キッチンばさみなどで食べやすい大きさにカットします。しかし、一度しか食べたことがないので、食べやすい大きさがどれぐらいか見当もつきません。

ほかのサイトで細かく切り過ぎないほうが食べやすいと言ってる人がいたので、5センチぐらいの大きさにしてみました。


次に、切ったたらおさを水と一緒に鍋に入れて火にかけます。…が、これがマジでめっっっさ臭い!金魚鉢の水を鍋で煮込んでる感じで、近所迷惑になるレベル。台所に入ってきたダンナもえずいてました。

でも、初めてアユの骨酒とかフグのひれ酒を飲んだ時もこんなニオイに感じたなぁ。味付けしたら、このニオイがうまみに変わるのかも?


お湯が沸騰したら一度お湯を捨てて水を新しくし、再度煮込みます。

あまりにも臭すぎるので、二度目の煮込みは保温鍋にお任せすることにしました。


燃料費が高騰しているこのご時世、火を使わずに煮込み料理ができる保温鍋は家計に大助かりアイテムです。暑い台所でずっと火加減を見ていなくていいのも👍一家に一台保温鍋、あると絶対便利です!

さーさんの使っているのはパール金属のものです。壊れたらサーモスとかちょっといいのに買い替えようかな?と思いつつ、壊れることなく10年近く経ってる気がします。

⒊味付けして完成

保温鍋に入れて5時間ほど放置したたらおさを煮汁から揚げます。火にかける場合は1時間ぐらいかけて煮込みます。

水を切ったら、砂糖・しょうゆ・みりん・料理酒・とうがらしで煮詰めて味付けします。

完成!!調理自体はそんなにむつかしくないですが、とにかく時間がかかりますね。で、肝心のお味は?

たらおさの煮つけ 実食

胃の部分はプリプリコリコリしていて、食べ応えがあります。まさに魚のホルモン

日田市のレシピはかなりこってりしていて、煮つけというより、駄菓子屋にある甘辛く煮た瓶に入ったスルメ、あんな感じ。ちょっと煮詰めすぎたかな?

エラのファサファサした部分は骨が入っていて、食べるところが少ないです。

なるほど、大きめに切ったほうが食べやすいというのはエラのことか、と納得。すこし食べにくいですが、独特な食感が癖になる~

心配していた臭みはほとんど気になりません。魚特有の香りがほのかにただようぐらいです。保温鍋でも十分臭みがとれることがわかりました。


でも、水で戻した直後は大量にあったように見えたたらおさも、切ってゆでるとずいぶんボリュームが少なくなるんだなぁ。

味もなんか思ってたのと違う。これもこれでおいしいんだけど、九重で食べたたらおさはもっと普通の煮物っぽかったような。

そんなわけで、味がちょっと濃すぎるのとボリュームアップのため、干しタケノコとあわせて炊いてみることにしました。

干しタケノコは九州の内陸だと道の駅なんかでよく見るのですが、別府は海沿いのせいかほとんど目にしない食材です。今回は道の駅童話の里くすで購入しました。近くで見つからない時は通販などを利用するといいでしょう。

干しタケノコとたらおさの煮しめ

⒈干しタケノコは一晩かけて水でもどし、キッチンばさみなどで食べやすい大きさにカットします。たらおさと大きさをそろえると見栄えがいいですよ。

⒉鍋に新しい水とたけのこを入れて30分ほど煮込みます。保温鍋に入れて放置でもOK。

⒊タケノコがやわらかく煮えたら、⒉の鍋に昨日のたらおさを投入して煮込みます。

⒋タケノコに味が染みたら完成!

そうそう、九重で食べたのはこんな味でした。煮しめも甘辛煮もどちらも違ったおいしさです。手間はかかりますが、お店ではめったに食べられない大分の珍味、ぜひご家庭で作ってみてください。