大分空港と大分港をむすぶ新ルート!大分ホーバードライブの納入式に行ってきました
青い海とみどりの山々に囲まれた国東半島。大分空港は国東半島の東端に位置する国際空港です。東京や大阪、韓国などからの路線が乗り入れています。
しかし、大分空港には鉄道が通っていないため、別府や大分から空港にアクセスするには、これまでバスを利用するしかありませんでした。
新・ホバークラフト「ホーバードライブ」
2024年、空港と大分港を結ぶホバークラフトが就航することになりました。
実は14年前まで、大分空港には大分市を結ぶホバークラフトが運航していたのですが、空港までの道路が整備され、2009年にホバークラフトは廃止されました。
以前営業していたホバークラフトは「大分ホーバーフェリー」という社名でした。
今回新しく運航する船は「ホーバードライブ」という名称です。
ホバードライブ の船の名前は郷土の偉人から
ホーバードライブは3隻が就航し、船の名前は「Baien・Banri・ Tanso」です。大分県を代表する偉人「三浦梅園・帆足万里・広瀬淡窓」から名前をとったそうです。
三浦梅園は江戸時代の著名な哲学者で、大分空港の近くの安岐町出身です。大分空港に縁のある偉人ということで、船の名前に採用されたのかもしれません。
帆足万里は別府のお隣の日出町出身の科学者・哲学者、 広瀬淡窓は日田市出身の哲学者・漢詩人です。
ホバークラフト就航が決まったときの大分県知事が広瀬さんって人なんですが、この方は広瀬淡窓の子孫なんだそうです。
で、このたび1番船のBaienが国の検査に合格して大分県に納入されたことを記念し、2023年9月9日に大分市の田ノ浦ビーチで式典が開かれました。
田ノ浦ビーチにホバークラフトが停船するのは納入式の日だけ!
式典は11時からとのことで、定刻10分前に会場の田ノ浦ビーチにやってきました。
遠くからこちらに向かってくる船影を発見。
でも、会場の前の砂浜の周りはブイで囲まれているので、船は入ってこられそうにありません。どうするのかな??と思っていると…
すげー!ホバークラフトってブイを乗り越えてこられるんですね!そりゃ砂浜に乗り上げられるぐらいだもんな。
扇風機みたいな羽根をぐるぐる回し風で進むホバークラフト。大きな船体ですがめちゃくちゃ静かです。
収容人数は80人。
船の下が浮き輪みたいに膨らんでいるので、砂浜にも乗り上げることができるんですね。エンジンが止まると浮き輪の部分も空気が抜けて船体が沈みます。出入り口と地面が近くなるので、乗り降りもらくちん。
想像していたよりもずっとかっこよくて感動しました。見にきてよかった✨
しかし、実際に運用される航路は大分空港⇔大分港の往復のみなので、砂浜に乗り上げるホバークラフトがみられるのは、今のところ今回の式典だけみたいですね。
観光客が利用者のメインなのに別府には停まらない。しかも高い
現在、空港から大分市内まで運行している空港特急バスの料金は、大分駅まで1,550円、別府北浜まで1,500円(令和5年現在)。
それに対してホバードライブは空港から大分港まで2750円。大分港から大分駅までの連絡バスが150円ぐらいなので、片道およそ3,000円かかります。
1,500円で行けるところにわざわざ3,000円支払う人って、9割がた観光客だと思うんですが、ホバードライブは別府には停まりません。
国東半島は今でも秘境といっていいぐらい自然に囲まれている場所なので、空港ができた当時のアクセスは不便だったと思います。わざわざ鉄道や高速道路を整備しなくてもいい 大分ホーバーフェリーは便利な交通手段だったんだろうと思いますが、現在は自動車専用道路が整備されて、シャトルバスで一気に空港まで行けるようになりました。
広瀬知事が在任中は、日本で唯一のホバークラフトはきっと話題を呼ぶに違いない!と話していましたが、わたしは今のままだと利用者は伸び悩むと思っています。
せっかくの海のルートなので、バスではアクセスしづらい場所にも停泊したらいいのに。就航までまだ時間があるので、いろいろ工夫はされるのではないかなと思います。たぶん。